2011年06月14日
まだまだ青い2
前回までのあらすじ−
私のGTへの挑戦も幾度目かを数える6月に、初めて赤侍と一緒にBLUE DRAGONに乗り込むことになった。
しかし、期待に胸を膨らませていた私たちに、前日から突然の渋い状況にスポーニング突入の懸念があるとの情報が入る。
折からの南風によって荒れる海況のなか、出港後の早い段階で、あきさんにバイトが、そして赤侍にチェイスがあった。
船上のテンションは一気に跳ね上がったが、そこから長い沈黙がレールを敷いて待ち構えていた。
陰鬱な雰囲気に言葉数も少なくなっていく船内。
それでもアングラーは黙々とルアーをキャストし、キャプテンはさまざまなラインを諦めずにトレースする。
時間は正午を迎えた、本日の釣行の折り返しである。
あと半日−。
私たちのGTキャッチへの野望が、祈りへとその形を変えつつあった。
私のGTへの挑戦も幾度目かを数える6月に、初めて赤侍と一緒にBLUE DRAGONに乗り込むことになった。
しかし、期待に胸を膨らませていた私たちに、前日から突然の渋い状況にスポーニング突入の懸念があるとの情報が入る。
折からの南風によって荒れる海況のなか、出港後の早い段階で、あきさんにバイトが、そして赤侍にチェイスがあった。
船上のテンションは一気に跳ね上がったが、そこから長い沈黙がレールを敷いて待ち構えていた。
陰鬱な雰囲気に言葉数も少なくなっていく船内。
それでもアングラーは黙々とルアーをキャストし、キャプテンはさまざまなラインを諦めずにトレースする。
時間は正午を迎えた、本日の釣行の折り返しである。
あと半日−。
私たちのGTキャッチへの野望が、祈りへとその形を変えつつあった。
5.ヒット
『はい、水深27m。投げていいよ!』
早めの昼食をとり、エネルギーを補填したわれわれは、再び海原にルアーを放り込む。
しかし、早朝から大型ポッパーを曳き続けていたために、
私の非力な右腕はすでに70%程度の持久力を消費してた。
しかし、HAMMER HEADを投げ続けて、引き続けることしかキャッチの方法はない。
槍のように降り注ぐ厳しい日差しが徐々に体力を奪い、
さらには要である『集中力』までも脳内からもぎ取ろうとする。
『赤侍の アルレギー は大丈夫かな?
・・・尻から危険な液体が漏れてこないかな?
・・・下痢、あるかもな。
ジャークと同時に漏らしてくれたら最高だ。
その瞬間には必ずデジカメで写真撮影して、
永遠に忘れられない思い出を赤侍にプレゼントしてあげよう。
くっくっくっ・・・。』
私は、ポッパーを曳きながら 完全に集中力を切らして妄想に没頭 していた。
『デタッ!!』
同時にアフトデッキでルアーチェンジを行っていた、そば泥棒あきさんとマンブーキャプテンの大きな声が響く。
誰のルアーに出たのだろうか?と悠長に考えていると、強烈な負荷がロッドに襲い掛かり、
リールからは聞いたことの無いような高い音程のドラグ音が絶え間なく響く。
『キタッ!キタッ!喰ったぁ!うぉぉぉぉぉ〜!!!』
いつも冷静な私の意識が、完全に 真っ白になっている のがわかる。
残念なお知らせがあります。
もうお分かりでしょうね・・・。そのとおりです。
よそ見をしていたために、
記念すべきバイトを見逃していたのである。
バイトの瞬間、私はまったく必要性の無い赤侍のお尻に視線を集中して、バカな妄想を繰り広げてニヤニヤしていたのである。
しかしマンブーキャプテンがエンジンのセルボタンを押して、エンジンを始動させた音だけはなぜか冷静に聞いていた。
私はこの瞬間を待ち望んでいたのである。
エンジンの始動音に同調して昂る闘争心と、純度の高いアドレナリンが混合されて心拍数が一気に跳ね上がるこの瞬間を待っていたのだ。
どれほど想像したことか!
どれほど憧れていたか!
どれほど待ち続けていたか!
脳内には高純度なアドレナリンが大量に噴出され、右脳と左脳を繋ぐ脳幹がシンクロのスピードを増し、やがて主導権は右脳へと移っていく。
闘争本能の昂りは、身体機能を限定的に飛躍させる。視界は徐々に狭まり、約40mほど先の海中に没しているラインをハッキリと確認することが出来る。
そしてドラグを出し続けるGTに対してフッキングを数回行う。
そう、レジェンドのDVDを何回も見て想像を繰り返していた、
『なにしてんねんっ!お前!!』とレジェンドにダメだしを食らいまくったフッキングを。
ロッドを横後方に引いて数回のフッキングを行う。
『OK!もういいよ、完全にかかってるよ!耐えて!耐えて!』
奇跡的にフッキングが決まって脇に挟んだロッドの角度を少々大きくする。ファイト開始である。
想像していた以上の強烈なGTのランに、私はなす術も無く只ただ唖然としてロッドを支えているしかなかった。
『船のフォローが入ったら、しっかり巻いて!』
あきさんの指示に従ってリーリングを開始する。
しかしリールハンドルはロックがかかったように硬く、決してスムーズには動かない・・・。
これほどの強烈なファイトを 船のフォロー無し で行う熟練アングラー達はバケモノかっ!
数回巻いてはドラグが鳴り、ドラグが鳴っては数回ハンドルを回す。
『頼む!止まってくれ!!』
そのような 甘過ぎるお願い などGTは聞いてくれるはずも無く、ジリジリとドラグは悲鳴を上げ続け、ラインはスルスルと海中へと消えていく。
数回のやり取りの後、ようやくランが止まった。
地獄のリフトが始まったのである・・・。
6.リフト
GTを海中から海面まで引きずり出す リフト が始まった。そのアクションは過酷なものであった。
体重を後方に預け、戻すと同時に少しずつラインを巻き取る。
その最中にも頻繁にドラグが唸りラインを放出する。
そして再び体重を後方に預ける・・・。
終わりのない地獄のような作業である。
やがて握力は限界を超え、大腿部に掛かる負荷も徐々に大きなものに変わる。
正直に告白しよう、ロッドを放してしまう寸前であった。いや、
このままロッドを海に捨ててしまおうか?
という考えすら脳裏によぎっていた。
しかし、考えに反して私の狩猟本能は、獲物を引き上げることに全力を振り絞り、限界を超えているはずの握力、そしてハンドルを回す右手の回転力を別物のように動かしている。
脳内に流れ込んでいる大量のアドレナリンが、乳酸の発生を無視させているのであろうか。
いつの間にか隣に来ていたマンブーキャプテンが、様々な指示を私にだす。
『ロッドのこの部分を握ってリフトしろ!』
指し示されたロッドのグリップを握ろうとするが、スルスルと滑り上手く握れない。
『ダメです!滑って上手く握れません!』
私はそのようにキャプテンに伝えたが、その瞬間に脳裏に握れない原因が浮かんだ。
右手の握力がなくなっている・・・。
『見えたっ!!』
ようやく水中にGTの銀色のシルエットが確認できた。
しかし、私との距離はいかほどのものであるか想像もつかない。
そしていまだにGTはその底力を誇るかのように、何回でもドラグを鳴らし続ける。
『アラーキー、ギンバルから竿尻を外して 股に挟め! 』
マンブーキャプテンの新たな指示に従い、私はロッドを股に挟む。
このとき私は、無知と浅い経験から来る致命的な間違いを犯してしまった。
『アラーキー、
なんで内股!?しかもつま先立ちで
プルプルしている!
ギャハハハハハ!』
そば泥棒 が大声で笑う。
『・・・うん、うん、わかるよ、わかるよアラーキー。』
赤侍はなぜか納得した表情で頷いている。
セクシー細川は、口をあんぐりと開けて私の様子を見つめている。
(たぶん セクシーの称号 を私に奪われて唖然としていたと思う。)
『違うっ!脚を広げろっ!何なんだそれは!?なんで つま先立ち なんだ?』
わなわなと震える声から、マンブーキャプテンの怒りが沸点近くに達しているのが分かる。
内股で、つま先立ち、おまけに高速で動き続ける左手と、突き出したお尻。息は怪しいくらい荒い・・・。
どの角度から見ても、変質者のそれ(行為)であることが想像できる。
そば泥棒と赤侍がお腹を抱えて笑っている・・・。
しかし余裕の無い私は、笑うことも出来ずに、指示に従って股を広げてリフトを続けることしか出来ない。
『胸を張れっ!そう、そうだ。よし、巻け、巻けっ!』
キャプテンからの矢継ぎ早の指示になんとか身体を反応させて、
リフトを続けること数分間、いよいよ水中の浅い位置にGTのシルエットを確認することが出来た。
ルアーはGTの口ではなく、エラの後ろあたりに食い込んでいる。スレがかりである。
そして、ここからが長かった。
握力や脚力はすでに限界近くまでその力を消耗しており、精神力のみで筋肉を動かしている状況である。
『少しずつでもいいから巻け!』
セクシー細川からの指示の通りに、ジワリ、ジワリとラインを巻き取る。
『強引に行くな、GTが円運動を始めたらタイミングを見て巻け。そう、そのタイミングだ。』
マンブーキャプテンの声にしたがって、テンポを保ってラインを巻き取る。
数分後−。
何回かドラグを出した後、ようやくGTは水面にその姿を現した。
『もう少しだ・・・。』
しかし、この一瞬の安堵感が、集中力というGT捕獲に対する防衛線を突破して、致命的なミスを誘う。
リフトをする為に前屈姿勢になった瞬間に、リールを手摺にぶつけてしまったのである。
一瞬、なにが起ったのか理解できなかった。
スローモーションのようにパラパラと円を描いて、スプールから放出されるライン。
完全にラインテンションを失って、ユラリユラリと、もと来た水中へと沈むGT・・・。
『ええぇぇぇ〜・・・。』
船上にいた全員が、口をあけて叫ぶ。
『なにするばぁっ!!!』
怒りが頂点に達して叫ぶマンブーキャプテン。
リールを手摺にぶつけた瞬間に、ベイルが返ってしまい完全にフリーの状態になったラインが、勢い良く放出されたのである。
そして船上のメンバーは、普段から 意味不明な行動と精神 である私が、自ら進んでベイルをあげたと皆が思っていたのである。(そこまで 変質者 ではありません!)
ベイルが返っていることに気がついていない私は必死でハンドルを回すのであるが、
スプールはその役目を果たすことなくクルクルと空転するだけである。
『ベイルを起こせ!ベイル!ベイル!ベイルッ!巻けっ!巻けっ〜!』
マンブーキャプテンの声に、ようやくベイルを起こし、再び高速回転でラインを回収する。
GTはバレたかっ!?
どうかっ!?
私の願いを神が聞き入れて、かろうじてテンションを回復したラインの先にGTはいまだに存在していた。
『はい、もう一回最初から!』
セクシー細川が、安堵の表情を浮かべて私に声をかけた。
〜続く〜
次回はいよいよ最終回!
・キャッチ
『はい、水深27m。投げていいよ!』
早めの昼食をとり、エネルギーを補填したわれわれは、再び海原にルアーを放り込む。
しかし、早朝から大型ポッパーを曳き続けていたために、
私の非力な右腕はすでに70%程度の持久力を消費してた。
しかし、HAMMER HEADを投げ続けて、引き続けることしかキャッチの方法はない。
槍のように降り注ぐ厳しい日差しが徐々に体力を奪い、
さらには要である『集中力』までも脳内からもぎ取ろうとする。
『赤侍の アルレギー は大丈夫かな?
・・・尻から危険な液体が漏れてこないかな?
・・・下痢、あるかもな。
ジャークと同時に漏らしてくれたら最高だ。
その瞬間には必ずデジカメで写真撮影して、
永遠に忘れられない思い出を赤侍にプレゼントしてあげよう。
くっくっくっ・・・。』
私は、ポッパーを曳きながら 完全に集中力を切らして妄想に没頭 していた。
『デタッ!!』
同時にアフトデッキでルアーチェンジを行っていた、そば泥棒あきさんとマンブーキャプテンの大きな声が響く。
誰のルアーに出たのだろうか?と悠長に考えていると、強烈な負荷がロッドに襲い掛かり、
リールからは聞いたことの無いような高い音程のドラグ音が絶え間なく響く。
『キタッ!キタッ!喰ったぁ!うぉぉぉぉぉ〜!!!』
いつも冷静な私の意識が、完全に 真っ白になっている のがわかる。
残念なお知らせがあります。
もうお分かりでしょうね・・・。そのとおりです。
よそ見をしていたために、
記念すべきバイトを見逃していたのである。
バイトの瞬間、私はまったく必要性の無い赤侍のお尻に視線を集中して、バカな妄想を繰り広げてニヤニヤしていたのである。
しかしマンブーキャプテンがエンジンのセルボタンを押して、エンジンを始動させた音だけはなぜか冷静に聞いていた。
私はこの瞬間を待ち望んでいたのである。
エンジンの始動音に同調して昂る闘争心と、純度の高いアドレナリンが混合されて心拍数が一気に跳ね上がるこの瞬間を待っていたのだ。
どれほど想像したことか!
どれほど憧れていたか!
どれほど待ち続けていたか!
脳内には高純度なアドレナリンが大量に噴出され、右脳と左脳を繋ぐ脳幹がシンクロのスピードを増し、やがて主導権は右脳へと移っていく。
闘争本能の昂りは、身体機能を限定的に飛躍させる。視界は徐々に狭まり、約40mほど先の海中に没しているラインをハッキリと確認することが出来る。
そしてドラグを出し続けるGTに対してフッキングを数回行う。
そう、レジェンドのDVDを何回も見て想像を繰り返していた、
『なにしてんねんっ!お前!!』とレジェンドにダメだしを食らいまくったフッキングを。
ロッドを横後方に引いて数回のフッキングを行う。
『OK!もういいよ、完全にかかってるよ!耐えて!耐えて!』
奇跡的にフッキングが決まって脇に挟んだロッドの角度を少々大きくする。ファイト開始である。
想像していた以上の強烈なGTのランに、私はなす術も無く只ただ唖然としてロッドを支えているしかなかった。
『船のフォローが入ったら、しっかり巻いて!』
あきさんの指示に従ってリーリングを開始する。
しかしリールハンドルはロックがかかったように硬く、決してスムーズには動かない・・・。
これほどの強烈なファイトを 船のフォロー無し で行う熟練アングラー達はバケモノかっ!
数回巻いてはドラグが鳴り、ドラグが鳴っては数回ハンドルを回す。
『頼む!止まってくれ!!』
そのような 甘過ぎるお願い などGTは聞いてくれるはずも無く、ジリジリとドラグは悲鳴を上げ続け、ラインはスルスルと海中へと消えていく。
数回のやり取りの後、ようやくランが止まった。
地獄のリフトが始まったのである・・・。
6.リフト
GTを海中から海面まで引きずり出す リフト が始まった。そのアクションは過酷なものであった。
体重を後方に預け、戻すと同時に少しずつラインを巻き取る。
その最中にも頻繁にドラグが唸りラインを放出する。
そして再び体重を後方に預ける・・・。
終わりのない地獄のような作業である。
やがて握力は限界を超え、大腿部に掛かる負荷も徐々に大きなものに変わる。
正直に告白しよう、ロッドを放してしまう寸前であった。いや、
このままロッドを海に捨ててしまおうか?
という考えすら脳裏によぎっていた。
しかし、考えに反して私の狩猟本能は、獲物を引き上げることに全力を振り絞り、限界を超えているはずの握力、そしてハンドルを回す右手の回転力を別物のように動かしている。
脳内に流れ込んでいる大量のアドレナリンが、乳酸の発生を無視させているのであろうか。
いつの間にか隣に来ていたマンブーキャプテンが、様々な指示を私にだす。
『ロッドのこの部分を握ってリフトしろ!』
指し示されたロッドのグリップを握ろうとするが、スルスルと滑り上手く握れない。
『ダメです!滑って上手く握れません!』
私はそのようにキャプテンに伝えたが、その瞬間に脳裏に握れない原因が浮かんだ。
右手の握力がなくなっている・・・。
『見えたっ!!』
ようやく水中にGTの銀色のシルエットが確認できた。
しかし、私との距離はいかほどのものであるか想像もつかない。
そしていまだにGTはその底力を誇るかのように、何回でもドラグを鳴らし続ける。
『アラーキー、ギンバルから竿尻を外して 股に挟め! 』
マンブーキャプテンの新たな指示に従い、私はロッドを股に挟む。
このとき私は、無知と浅い経験から来る致命的な間違いを犯してしまった。
『アラーキー、
なんで内股!?しかもつま先立ちで
プルプルしている!
ギャハハハハハ!』
そば泥棒 が大声で笑う。
『・・・うん、うん、わかるよ、わかるよアラーキー。』
赤侍はなぜか納得した表情で頷いている。
セクシー細川は、口をあんぐりと開けて私の様子を見つめている。
(たぶん セクシーの称号 を私に奪われて唖然としていたと思う。)
『違うっ!脚を広げろっ!何なんだそれは!?なんで つま先立ち なんだ?』
わなわなと震える声から、マンブーキャプテンの怒りが沸点近くに達しているのが分かる。
内股で、つま先立ち、おまけに高速で動き続ける左手と、突き出したお尻。息は怪しいくらい荒い・・・。
どの角度から見ても、変質者のそれ(行為)であることが想像できる。
そば泥棒と赤侍がお腹を抱えて笑っている・・・。
しかし余裕の無い私は、笑うことも出来ずに、指示に従って股を広げてリフトを続けることしか出来ない。
『胸を張れっ!そう、そうだ。よし、巻け、巻けっ!』
キャプテンからの矢継ぎ早の指示になんとか身体を反応させて、
リフトを続けること数分間、いよいよ水中の浅い位置にGTのシルエットを確認することが出来た。
ルアーはGTの口ではなく、エラの後ろあたりに食い込んでいる。スレがかりである。
そして、ここからが長かった。
握力や脚力はすでに限界近くまでその力を消耗しており、精神力のみで筋肉を動かしている状況である。
『少しずつでもいいから巻け!』
セクシー細川からの指示の通りに、ジワリ、ジワリとラインを巻き取る。
『強引に行くな、GTが円運動を始めたらタイミングを見て巻け。そう、そのタイミングだ。』
マンブーキャプテンの声にしたがって、テンポを保ってラインを巻き取る。
数分後−。
何回かドラグを出した後、ようやくGTは水面にその姿を現した。
『もう少しだ・・・。』
しかし、この一瞬の安堵感が、集中力というGT捕獲に対する防衛線を突破して、致命的なミスを誘う。
リフトをする為に前屈姿勢になった瞬間に、リールを手摺にぶつけてしまったのである。
一瞬、なにが起ったのか理解できなかった。
スローモーションのようにパラパラと円を描いて、スプールから放出されるライン。
完全にラインテンションを失って、ユラリユラリと、もと来た水中へと沈むGT・・・。
『ええぇぇぇ〜・・・。』
船上にいた全員が、口をあけて叫ぶ。
『なにするばぁっ!!!』
怒りが頂点に達して叫ぶマンブーキャプテン。
リールを手摺にぶつけた瞬間に、ベイルが返ってしまい完全にフリーの状態になったラインが、勢い良く放出されたのである。
そして船上のメンバーは、普段から 意味不明な行動と精神 である私が、自ら進んでベイルをあげたと皆が思っていたのである。(そこまで 変質者 ではありません!)
ベイルが返っていることに気がついていない私は必死でハンドルを回すのであるが、
スプールはその役目を果たすことなくクルクルと空転するだけである。
『ベイルを起こせ!ベイル!ベイル!ベイルッ!巻けっ!巻けっ〜!』
マンブーキャプテンの声に、ようやくベイルを起こし、再び高速回転でラインを回収する。
GTはバレたかっ!?
どうかっ!?
私の願いを神が聞き入れて、かろうじてテンションを回復したラインの先にGTはいまだに存在していた。
『はい、もう一回最初から!』
セクシー細川が、安堵の表情を浮かべて私に声をかけた。
〜続く〜
Tuned by 変態烏賊書房
次回はいよいよ最終回!
・キャッチ
Posted by 巨匠アラーキー at 12:00│Comments(19)
│さ行
この記事へのコメント
潔さを感じますね!
期待します!
期待します!
Posted by rikie
at 2011年06月14日 12:40

究極スタンディングセクシーファイト!
自らあの体制を取るとはかなりのドSですね!!
しかし実際ファイトしながら教えてもらい良かったですね!!
あのアドバイスは宝だよ!!
ってか、そば泥棒って……
次取られますよ(爆)
自らあの体制を取るとはかなりのドSですね!!
しかし実際ファイトしながら教えてもらい良かったですね!!
あのアドバイスは宝だよ!!
ってか、そば泥棒って……
次取られますよ(爆)
Posted by 赤侍 at 2011年06月14日 13:20
いやあ、本当に変体だなぁ!
自らまた辛い状況に追い込むなんて!(^^;)
自らまた辛い状況に追い込むなんて!(^^;)
Posted by APO! at 2011年06月14日 13:47
あ、変体→変態ね!
Posted by APO! at 2011年06月14日 13:48
オシャレジャンプだけかと思いきや、
セクシーファイトまで・・・・
素晴らしいです!巨匠!
しかも、記念すべきバイトの瞬間
あの臭ってきそうな赤侍のお尻に夢中だったなんて・・・
流石です!巨匠!
そして、マンブーさんの逆鱗に触れる
パラパラアラーキー・・・・
もう言うことはありません!
変態とは=アラーキー
明日の記事が楽しみだ!
セクシーファイトまで・・・・
素晴らしいです!巨匠!
しかも、記念すべきバイトの瞬間
あの臭ってきそうな赤侍のお尻に夢中だったなんて・・・
流石です!巨匠!
そして、マンブーさんの逆鱗に触れる
パラパラアラーキー・・・・
もう言うことはありません!
変態とは=アラーキー
明日の記事が楽しみだ!
Posted by 一人アラーキー熱烈ファン3号 at 2011年06月14日 14:02
初コメ失礼します^^ゆんぞ~と申します♪♪
今まで笑いを忘れていたのかっていうぐらい笑いました(爆)
変質者のそれ見たかったです(笑)
月並みなコメントしかできないんですが明日も楽しませてもらいますね^^
今まで笑いを忘れていたのかっていうぐらい笑いました(爆)
変質者のそれ見たかったです(笑)
月並みなコメントしかできないんですが明日も楽しませてもらいますね^^
Posted by ゆんぞ~
at 2011年06月14日 16:20

「類は友を呼ぶ」。
大菊様といい、タシルー様といい、
という事は、やっぱりあのGTも尻好きか(^^)。
大菊様といい、タシルー様といい、
という事は、やっぱりあのGTも尻好きか(^^)。
Posted by じゃがまる
at 2011年06月14日 17:18

そう。。
そういえば。。。
あの“出たっ~!!”の時 赤侍さんの お尻を、、、確認してましたね。。
アルレギーなる物で何か出たとしても“出たっ~!!”とは言いません(笑)
今度は冷し中華 くったるぅ(`∇´ゞ
そういえば。。。
あの“出たっ~!!”の時 赤侍さんの お尻を、、、確認してましたね。。
アルレギーなる物で何か出たとしても“出たっ~!!”とは言いません(笑)
今度は冷し中華 くったるぅ(`∇´ゞ
Posted by AKIまや~ at 2011年06月14日 20:13
ちょ、またつづきつづきかYO!
面白いからいいですけど。
面白いからいいですけど。
Posted by ジム夫 at 2011年06月14日 20:26
パラパラ事件の真相は手摺だったんですね
今後気を付けます!
自分も多分、股に挟めって言われたら内股になっていたことでしょう…
勉強なりました
知らないことが多いというか、ベテラン達の引き出しが多彩すぎるというか、、、
今後気を付けます!
自分も多分、股に挟めって言われたら内股になっていたことでしょう…
勉強なりました
知らないことが多いというか、ベテラン達の引き出しが多彩すぎるというか、、、
Posted by すが at 2011年06月15日 00:48
>リッキー隊長
>期待します!
プレッシャーに弱い私を、イジメないで下さい(笑)
明日UPします。
癒されて下さい!
>期待します!
プレッシャーに弱い私を、イジメないで下さい(笑)
明日UPします。
癒されて下さい!
Posted by 巨匠アラーキー at 2011年06月15日 01:20
>赤侍さん
無事に終わると思わない方がいい・・・。
恐怖の10時25分が、間もなく訪れる。
無事に終わると思わない方がいい・・・。
恐怖の10時25分が、間もなく訪れる。
Posted by 巨匠アラーキー at 2011年06月15日 01:23
>APO!先生
>自らまた辛い状況に追い込むなんて!(^^;)
そういう星の下に生まれたのでしょうか?
自分でも笑えてきます(笑)
ただ今、メッキで合わせの練習中!
APOON!3gでバカバカとバイトがあります!
>自らまた辛い状況に追い込むなんて!(^^;)
そういう星の下に生まれたのでしょうか?
自分でも笑えてきます(笑)
ただ今、メッキで合わせの練習中!
APOON!3gでバカバカとバイトがあります!
Posted by 巨匠アラーキー at 2011年06月15日 01:27
>大菊鉄人様
ひとりだけ高みの見物か?
その余裕、明日まで持てるのか・・・。
このままでは終わらない、
いやっ、終わらせない!
ひとりだけ高みの見物か?
その余裕、明日まで持てるのか・・・。
このままでは終わらない、
いやっ、終わらせない!
Posted by 巨匠アラーキー at 2011年06月15日 01:32
>ゆんぞ〜さん
初めまして、ゆんぞ〜さん。
漢の花園へようこそ。
明日は本物の変態を知ることが出来ますよ!
そして、鏡に映る自分が『えっ・・・、俺も変質者か?』という疑念に悩まされる日々が待っています。
軽い気持ちで、読み流して下さいね〜(笑)
初めまして、ゆんぞ〜さん。
漢の花園へようこそ。
明日は本物の変態を知ることが出来ますよ!
そして、鏡に映る自分が『えっ・・・、俺も変質者か?』という疑念に悩まされる日々が待っています。
軽い気持ちで、読み流して下さいね〜(笑)
Posted by 巨匠アラーキー at 2011年06月15日 02:34
>じゃが兄さん
>「類は友を呼ぶ」。
えっ?じゃがまるさんもアチラの人ですか?
いやぁ〜、最近はカミングアウトが多すぎて、少々困惑しています。
赤侍と鉄人の
『俺、実はお尻が好き。』
カミングアウトは、衝撃でした。
>「類は友を呼ぶ」。
えっ?じゃがまるさんもアチラの人ですか?
いやぁ〜、最近はカミングアウトが多すぎて、少々困惑しています。
赤侍と鉄人の
『俺、実はお尻が好き。』
カミングアウトは、衝撃でした。
Posted by 巨匠アラーキー at 2011年06月15日 02:56
>そば泥棒さん
今度こそ、赤侍のケツを噴射させましょう。
とろろ蕎麦の購入をお願いします!
というか、アキさん筋金入りのドSでしょ!(笑)
今度こそ、赤侍のケツを噴射させましょう。
とろろ蕎麦の購入をお願いします!
というか、アキさん筋金入りのドSでしょ!(笑)
Posted by 巨匠アラーキー at 2011年06月15日 03:02
>ジムシー副支部長
本当は6部構成でした(笑)
長すぎて、自分でも面倒くさくなりバサリバサリと校正しました。
明日で完結ですが、ご希望ならば『完全版』を送信しますよ(笑)
まだまだ続く地獄(笑)
本当は6部構成でした(笑)
長すぎて、自分でも面倒くさくなりバサリバサリと校正しました。
明日で完結ですが、ご希望ならば『完全版』を送信しますよ(笑)
まだまだ続く地獄(笑)
Posted by 巨匠アラーキー at 2011年06月15日 03:07
>すがちゃん
>パラパラ事件の真相は手摺だったんですね
>今後気を付けます!
いやいや、犯人は赤侍です!(あのイタズラ坊主めぇ〜
)
>知らないことが多いというか、ベテラン達の引き出しが多彩すぎるというか、、、
ベテランたちは、『知らなくて良いこと』まで知っていますからねぇ〜(笑)
教えを請うて、技を得るという感じですね。
まだまだ勉強!
>パラパラ事件の真相は手摺だったんですね
>今後気を付けます!
いやいや、犯人は赤侍です!(あのイタズラ坊主めぇ〜

>知らないことが多いというか、ベテラン達の引き出しが多彩すぎるというか、、、
ベテランたちは、『知らなくて良いこと』まで知っていますからねぇ〜(笑)
教えを請うて、技を得るという感じですね。
まだまだ勉強!
Posted by 巨匠アラーキー at 2011年06月15日 03:14