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2010年01月08日

チェ・チョリーナ・のり子 2

前回までのあらすじ

のり子という女性から、アラーキー博士の事務所に身元調査の依頼がきた。

しかし、調査対象の特徴は、過去に暴走事故を起こして社会問題となった烏賊釣りマシン『チェ3000プロトタイプ』と酷似しており、その存在疑惑が浮上した。

完全回収されたはずのチェ3000の存在は、サイバー・アラーキー・ダイン社にとって大きな問題となるため、アラーキー博士は対策として非情で独善的な判断を下す。

チェ3000の秘密裏の回収・廃棄と、のり子の口封じのために研究員タシルーはのり子の住むガンダーラに向かった。




Act 2 のり子の島

−10時45分 ガンダーラ港−
「やぁ、タシルー、久しぶりだね。また釣りに来たのかい。」

初老の男が、釣り竿を持ったタシルーに声をかけた。

「こんにちは、おじさん。違うんだ、今日は釣りじゃないんだ。」

「ほう、タシルーが釣りじゃないなんてめずらしい。博士のお使いかな?」

男がタシルーに微笑む。

「実はね、チェ3000を探しに来たんだよぉ〜。あれは小型核融合炉が積んであるから、超アブナイんだよ〜。あっ、僕が言ったってことは、博士にはナイショだよ。」




11時00分、ガンダーラおよび県中部に住民退避命令が発令された。



−同時刻、アラーキー博士事務所−

私は鳴り止まない電話に頭を痛めていた。

「どこから情報が漏れたのだ…。タシルー、無事なのか…。」

私はモバイルを取り出して、ある電話番号に発信した。

「司令官を頼む…。アラーキーだ。…やぁ、ロブ…。…そうなんだ、いつもすまないね。よろしく頼むよ。」

電話を切った私は、ガレージに向かった。

「これで行くか…。」

ウーズレィ・ホーネットのイグニッションを捻り、エンジンを暖気する間にS・A・D社に連絡する。

「…わかっている。君らの利益は私の研究に直結しているからな。大丈夫だ、手は打ってある。それでは。…ん?あぁ、こんなときでも暖気を怠らないのが紳士なのだよ。」

暖気の完了したウーズレィで、私は嘉手納に向かった。


−12時00分 ガンダーラ−

「なかなか釣れないなぁ、カラーローテーションはほとんど…」

タシルーは、予想以上に烏賊釣りに魅了されていた。
その時、タシルーの背後から声が聞こえた。

「タシルー?あなた、タシルーよね?」

タシルーに声をかけたのは、身長180cmをゆうに越える筋肉質の女であった。

「誰だよ、おじさん?なんで僕を知っているの?」

タシルーは、少し構えて尋ねた。

「のり子よ。アラーキー博士に依頼したチェ・チョリーナ・のり子よ」

のり子はタシルーに近付きながら話す。

「嘘つけ〜、おじさんだろう!ヒゲや腕毛がおじさんだよ。なんでスカートはいているの?」

タシルーものり子に歩み寄る。

「タシルー、お姉さんは『女』よ。よく年齢以上のオジサンに間違えられるけど…。」

タシルーがさらにのり子に近付く。

「嘘だーい。じぁあ、この股の間にあるモノは何?」

のり子は顔を赤らめて言った。

「……、イっ、烏賊よ…。」

その一言でタシルーは覚醒した。そう大人に戻ったのである。

「…烏賊だと言うのか。烏賊なら100グラム程度だな…。のり子…、もう一度聞く、100グラム程度だな?この烏賊は…。」

そう言ってタシルーは、のり子の股間の『烏賊』を握った。

「ほぉ〜。ん?なぜだ…?だんだんと重量が増えるじゃないか…。200、400、…1000、1500。おっ、お前…、デカイッ、デカ過ぎるぞ!」

のり子は羞恥の表情で顔を横に向けた。

「あなただって、烏賊を付けているじゃない!」

そう言って、のり子はタシルーの股間を掴んだ。

「はぅ、はうぅぅ〜。」

のり子のあまりの握力に、タシルーは悶絶した。

「30グラムくらいかしら…。完璧なリリースサイズね。あら、痛くしたら少しサイズアップしたわね…。」

タシルーもおよそ『2キロオーバー』に膨張したのり子の『烏賊』を、膝を崩しながらも強く握り返す。

「まっ、負けないぞ、おっ、俺は。あぁ〜いい気…、いや、離せっ!離せ、のり子!」

微笑みながら、のり子が言う。

「あらあら、タシルー…、これっぽっちなの?『M栄原の重機関銃』の名は、ハッタリだったのね…。ホッ、ホッ、ホッ。??、あら、言葉にも反応しちゃうのね…。この、変態ドM烏賊馬鹿っ!」

のり子の表情にはすでに余裕すら漂っている。
しかし、のり子の一言でタシルーの目つきが変わった。
そう、タシルーのスイッチが入ったのである。

「…M栄原の…だと。M栄原の…だと、ふざけるなっ!」

タシルーは一気に体勢を優位に整えて、のり子の前に立った。
そして少々大きくなった、自身の『烏賊』でのり子の両頬を叩き倒した。
のり子は成す術も無く、両手を地面に落とした。

「…のり子。俺を甘く見るな。そして、教えておいてやる、M栄原の重機関銃じゃない…。『S町のカミソリ』だ。または『婆さんでも…(R35・止めとこうね!)…の?』だ。…お前、どこまで知っているんだ…。」

タシルーはのり子を見下ろしながら話した。

「ハァ、ハァ…。タシルー…、嫌いじゃないわよ、こんな『おしおき』…。」

のり子は息を切りながらタシルーを睨みつける。

「もうよせ、そこまでだ、二人とも!」

二人が振り返ると、声の方向にアラーキー博士と軍服の男が立っていた。

「大丈夫か?タシルー。心配するな、チェはすぐに見つかる。…のり子、貴様、ただの大女じゃないな?」

そう言うと、アラーキー博士はタシルーの『サムライブレード』を手にとり、エギをキャストした。

「何してるの、あなた?こんな場面なのに、エギングなんて…。」

のり子が唖然として、つぶやく。

博士のロッドが大きな孤を描き、ドラグ音が響く。
烏賊がノッた。
手前に寄せた烏賊に、タシルーがギャフを打つ。

「博士、いいサイズですね〜。おっ、アワビ、ガジガジですね。」

タシルーが笑顔で博士に話す。

「ちょっと、あなた達!そんな悠長に烏賊釣りしてる場合なの!この瞬間にもチェは…、チェは…。」

アラーキー博士が振り向かずに言う。

「…のり子。俺が今、烏賊を釣った釣座を見てみろ…。」

のり子が振り返ると、その釣座にはすでにキャストを終えたチェ3000の姿があった。

「えっ?そっ、そんな、…いつの間に。」

のり子の視界に映る風景が、一瞬にして色を失う。

…絶望と言う名の副産物を携えて、鉛色の北風が周囲を取り囲んだ…。



〜続く〜


次回 完結編

Act 3 コード13880

・チェ3000の捕獲は成功するのか?
・謎の大女、のり子の正体は?
・タシルーがとった英雄的な行動とは?


お楽しみに


鉄人よ、聞いているか?

最終目的は、

こんなことじゃない。



Tuned by 変態烏賊書房



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Posted by 巨匠アラーキー at 14:25│Comments(12)た行
この記事へのコメント
この、ド変態馬鹿野郎っ!!
Posted by 赤侍 at 2010年01月08日 17:01
あらあら、ド変態烏賊馬鹿さん。


ご声援ありがとうございます!


Arapedia上での、あなたの大活躍は素晴らしいですよね〜!

あなた無しでは、今後のArapediaは成り立ちませんよ。よっ、救世主!


新企画

「Harapedia」

へのご参加もよろしく!


『彼は信じ始めたんだ。…自分が救世主だということを。』byモーフィアス
Posted by 巨匠アラーキー at 2010年01月08日 19:37
なに!・・・・・・彼は救世主なのか?

俺は信じないぞ!このチェイオンを救う・・・・
彼が救世主だなんて・・・・・

墨チュは、もはや僕らの手の負えない存在なのだぞ!


最終目的・・・・・巨匠よ、のり子は曲者だぞ!気をつけろ!
Posted by 朔太郎 at 2010年01月08日 22:46
琉神♪ 琉神♪ マブヤ~
正義のヒーローマブヤ~ 



ウチナーが危ない 
でーじ超ヤバイー
悪のマジムンやっつけろ~

ティーダの力で平和を守るんだ~
マブイストンを必ず取り戻すのさ~

琉神♪ 琉神♪ マブヤ~
正義のヒーローマブヤ~

海を飛び越え
マジムンやっつけ~ろ~

来たぞ~(マブヤー)
正義の~(マブヤー)

マイVマイVマブイ~

琉神マブヤーーーーーー♪
Posted by 多汁ー at 2010年01月09日 10:14
調査依頼だ!のコメ俺は書いて無い!

一体誰が書いた!
こんなイタズラするのは……
アセロラ大老人かあっき~隊長ぐらいだろ~!

2人まとめてスーパーメーゴーサーして下さい!
Posted by 赤侍 at 2010年01月09日 10:20
僕も書いてないよ~。

のり子の腕毛はモズクに違いない!

不思議だ!タシルーはtuna rod で・・・するつもりか?
Posted by アセロラな人 at 2010年01月09日 13:15
>朔太郎さん

墨チュはヤバイですよ!増殖しますから。
よく気が付きましたね、素晴らしい!

チェイオンには、逆に行きたくないような気がします(笑)

のり子は曲者ではありません、

 ただの変質者 ですよ!
Posted by アラーキー at 2010年01月09日 18:01
>多汁さん

まさか、暗記しているのですか?・・・歌詞を!

さすが、S町でショットガンをブっ放すだけありますね~!

すごいぞ!

子供のヒーローが子供を作りたがる・・・矛盾してませんよね?


ねぇ、 あっき~隊長・・・。
Posted by アラーキー at 2010年01月09日 18:09
>赤侍さん

了解しました。調査を開始いたします。

お!喜んでください、調査結果が出ました!

犯人は、お二人ともです!!

制裁として・・・・、


おふたりの恥ずかしい秘密をArapediaにて


     漏洩いたします!


これで、容赦してあげてください。

お願いします!先輩!
Posted by 巨匠アラーキー巨匠アラーキー at 2010年01月09日 18:23
>アセロラ御大

巻き添えを食らってしまいましたね・・・。

事故みたいなモノとあきらめて下さい!

貴方の秘密、そして威厳が犠牲になりました。
ありがとうございました、救世主よ!

Tuna Rod の彼は、竹やりを作って
成人式に乱入するみたいですよ!

さすがですよね!
Posted by 巨匠アラーキー巨匠アラーキー at 2010年01月09日 18:31
いまだ成人式に血が騒ぐのだなぁ。
Posted by アセロラな人アセロラな人 at 2010年01月09日 19:14
>アセロラ御大

う〜ん、彼は自然反射的に『成人したくない』のでは?


素晴らしきかな、永遠の青春


ただ、アセロラ御大、私たちも『精神的に成人式を迎え入れられない』種類ですよ!

アセロラ御大、特にあなたが!



そして、チェ!
Posted by 巨匠アラーキー at 2010年01月09日 22:45
 
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